奈良県立医科大学脳神経内科のホームページをご覧いただきありがとうございます。
脳神経内科学は、最近の驚異的な脳科学の進歩により、未解明であった多くの脳神経内科疾患のメカニズムや治療法が次々と確立し、飛躍的な進歩が益々期待される分野です。また、これからの日本の超高齢化社会では、脳神経内科で担うべき脳梗塞や認知症、パーキンソン病といった患者が増えることが予想されます。特に、脳卒中や認知症、そして、国民の1/5が罹患しているとされる頭痛症などのcommon diseaseの診療は重要です。今後さらに、脳神経内科医は確実に求められる存在となります。
本学の脳神経内科学講座では、この社会の需要に応えるべく、脳神経内科学の教育、研究、診療に注力いたします。教育では、後進の育成に向け、技量の修練に取り組み、豊かな人間性に基づく倫理観と旺盛な科学的探究心を有する脳神経内科専門医を育成していきます。将来、奈良県の地域医療のみならず、世界の医学、医療を支える人材になってくれることを期待します。近年、検査や画像所見が重視されがちですが、脳神経内科学分野では、依然ベッドサイドでのハンマー1本から得る脳神経学的診察所見は重要です。臨床神経学の真髄をしっかり情熱を持って教育していきます。そして、教室員の志望やキャリア向上、女性医師の出産・育児などワークバランスを考慮した適切な人事対策を講じます。
研究面では、これまで、当講座では神経筋難病の病態解明に向け先駆的研究を行ってきました。私自身は、オートファジーを病因とする「自己貪食空胞性ミオパチー」の疾患概念確立や病態解明に長年取り組んできました。診断基準作成や全国実態調査を手掛け、2015年厚労省指定難病に採択されました。また、教室の研究テーマとして、脳卒中やパーキンソン病、多発性硬化症など様々な疾患について研究成果を世界に発信して手掛けてきました。引き続き、学内他科や国内外施設との共同研究にも積極的に努め、独創性の高い研究から世界最高基準へ向けて、神経筋難病研究に邁進していきます。
診療面では、本学の中期計画と「奈良県立医科大学の将来像」に基づき、県内唯一の特定機能病院の役割を理解して、奈良県民の最終ディフェンスラインとして、情熱を持って診療に励みます。超高齢化に直面する社会問題として、脳神経内科で担う疾患の増加が予想されます。将来、確実に高まる脳神経内科医の需要に対応すべく、人材と診療の質の確保は重要です。今後も、脳神経内科疾患の医療体制の構築に向けて、精力的に多職種と連携しながら努力していく所存です。
超急性期から慢性期疾患を担う脳神経内科医は、超高齢化社会に挑む中、今後益々多様な活躍が求められます。今後、当科の伝統を基礎に新たなステージへ飛躍すべく、教室員一同、期待される挑戦的研究や医師育成、最善の医療提供に精励していく所存です。
脳神経内科学講座 教授 杉江和馬
1980年に高柳哲也先生が本学に赴任して、近畿地方では初めての神経内科の外来診療が開始されました。1981年4月1日に本格的な神経内科学教室として開設され、初代主任教授として、高柳哲也先生が就任しました。外来に続き入院診療を始め、以後、奈良県内の脳神経内科医療の発展に努め、1999年3月に定年退職されました。
2000年4月1日に第2代主任教授として、上野 聡先生が就任しました。脳神経内科疾患すべてについて、診療・研究・教育を積極的に行い、患者さんに対する思いやりのある医療、若い脳神経内科臨床医の育成と先端的な研究に努め、2017年3月に定年退職されました。
そして、2017年11月15日に第3代主任教授として、杉江和馬先生が就任しました。
日本神経学会の決定に従い、2018年7月から診療科名が「神経内科」から「脳神経内科」に変更となりました。
〒634-8522 奈良県橿原市四条町840
奈良県立医科大学 0744-22-3051(代表)
脳神経内科医局 | (内線3417)Fax0744-24-6065 |
脳神経内科外来 A棟2階 | (内線3316, 3317) |
脳神経内科病棟 C棟5階 | (内線5500, 5501) |
脳神経内科研究室 研究棟4階 | (内線 2316) |
初診外来患者数 | 665人/年 | |
再診外来患者数人 | 16308人/年 | (延べ人数) |
入院患者数 | 377人/年 | (延べ人数) |
平均入院日数 | 23.65日 | |
神経疾患剖検例 | 2例/年 |
患者内訳、各医師が診察した患者人数合計
・脳卒中 552人
・頭痛 403人
・てんかん 229人
・認知症 343人
・神経難病 1315人(神経変性疾患・神経免疫疾患・筋疾患・特定疾患を含む)
このうちパーキンソン病 483人
多発性硬化症/視神経脊髄炎 81人
上記以外 1029人
年間外来患者数 初診 | 1160名 | (実数) |
年間外来患者数 再診 | 14310名 | (延べ人数) |
年間入院患者数 | 457名 | (他科との共観症例を含む) |
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